予備試験に独学にちかい形で短期合格を目指すために必須の2冊

予備試験や司法試験本試験にかぎらず英会話でもプログラミングでも何かのスキルの習得にチャレンジしている方であればぜひ一度手に取って購入するかどうかは別として目次だけでも読んで欲しいと思う本の紹介です。

例え話で目から鱗が落ちるという表現を使ったことがありますが、実体験で鱗が落ちたような気がしました。こちらの本を読むことで得られるのは

  1. 正しく効率的で効果的な学習方法
  2. スキル習得に対する心構え

大きく以上の2点です。本当はもっとたくさんの学びがある本ですが、特に自主学習・独学を視野に入れている方は大いに参考になると期待しています。だからといって世にはびこる楽な方法という意味ではないので注意が必要です。この本を読んでいただければこれまでの学習方法は何だったのか!!というネガティブな思いよりも可能性にワクワク感が大きくふくらむものと思います。

学び直しの必要性が論じられている現代の日本

すでに中流というライフスタイルを日本において送れる時代は終わりを迎えつつあると思います。なかには何を悠長なことを、すでに終わっている!!と考えている人もいらっしゃるとは思います。そこで、今後なにが求められるかという話なんですが、それは端的に常に学習することを求められるという一言に集約できると思います。

月並みかもしれませんが、AIなどの最先端のテクノロジノーのすさまじい進化の中で、人間として主体性を保ちながら生きていくためには学び続けるという意思が必要だと思うのです。余生はのんびりなんて文化は昔話になるでしょう。

超・自習法/ULTRA LEARNING /スコット・H・ヤング著

超・自習法は表題の通り自学・独学についての書籍です。何気にプログラミング学習を深めたいという思いで本屋さんにて書籍を探していたところ目に飛び込んできた1冊。本の帯のところにMITって小さく書いてあったんです……プログラミングであれこれ学んでいるといつの間にかMIT(マサチューセッツ工科大学)でコンピューターサイエンスなんて学ぶ人たちはどんな人たちなんだろうなどという思いが募ってきておりました。そんな折、たまたま手にした書籍の帯に小さな文字が……

ウルトラ・ラーニングとは

本書でいうウルトララーニングとは自己管理的かつ集中的な、スキルや知識を習得するための戦略。と定義してあります。予備試験や司法試験などの難関資格試験であっても独学で準備することが可能かどうか興味を持っている人も多いと思います。

こちらの書籍では、もちろん独学の可否について論じられているわけではないが、メタ学習という概念で、学習の地図を描くことを提唱しています。学習の地図とは一種のたとえですが具体的には学び方を学ぶということです。本書を読み進めるうちに過去の私自身の学び方のまずかった点を次々に指摘されているようで、そのたびに落ち込むどころかかえってスッキリするような爽快な感覚でどんどん読み進めていきました。

このメタ学習という概念をしっかりと意識して予備試験および司法試験最終合格までのロードマップを描くことができるとストレスも軽減されて進んでいくことができると思います。独学にちかい形でと述べましたのも、1から10まで予備校だよりではなく、予備校を活用するにあたり自身で考えて選択判断が可能になるという意味で100%予備校だよりでなくても対応できるのではないかという趣旨です。

ウルトララーニングのここがスゴイ!!

ウルトララーニングでスキルを高速で習得していく人たちのことを本書ではウルトララーナーと呼んでいます。そして、このウルトララーナーになるために必要な9つの提案があります。これらはそれぞれ単体としてであればどこかで耳にしたことがあるような話も含まれていると思いますが、これらの話が体系化されウルトララーニングという概念として示してあるのがスゴイ!!!と思うのです。

ウルトララーナーになるための原則⓵では先ほど触れましたメタ学習について紹介されています。これはいわば学習対象の研究を指しています。予備試験であれば試験科目はもちろん、どのくらいのレベルの知識が求められていれ、それをどのように習得していくかというところまで考察する必要があると思います。続いて原則3で紹介されている直帰性。これは予備試験や司法試験ほか一般的に試験と名の付くものであれば過去問に該当すると思います。これらの対象にどのように臨むか。ということが示されています。そして、他にも集中や基礎練習などが詳しく書かれています。

繰り返しで恐縮ですが、一つ一つ耳にしたばあは当たり前だろうと思うことがセットで概念として説明されている学習者にとっては教典として位置づけられて然るべき書籍ではないかと興奮も交えておすすめします。

ウルトララーニングの難点。デメリット!?

ウルトララーニングという考え方、勉強方法を紹介するというすばらしい書籍ではありますが、抽象的な表現が含まれている点がデメリットとはいえませんが、若干難しく感じる点かと思います。

しかし、予備試験を社会人で受けるのは現実的にどうなのか!?無理ではないのか!?などと悩んでいる方がいらっしゃればぜひ一度手に取り目次だけでも読まれることをお勧めします。僕が予備試験に再チャレンジしようとエールを頂いた本です。悩んでいること自体がもったいないです。

それに、余談ですが、過去に〇度ほど旧司法試験で苦杯を味わいましたが失うものはなく、むしろバッジはまだですが得難いものをたくさん得ることができました。

使える脳の鍛え方/成功する学習の科学/ピーター・ブラウン他著

超・自習法/ULTRA LEARNINGを繰り返し読むのですがさらに理解を深めたいとの思いで予備試験などに活用していた先輩をネットで探していると司法の犬という現役弁護士のブログにたどり着きました。そこでウルトララーニングと一緒にさらっと紹介されていたのが使える脳の鍛え方という本でした。記事からほぼ独学で予備試験と司法試験に合格していらっしゃる司法の犬さまのブログがわたしも見習わなければいけないのですが本当に読み易くて、読み終えるとすぐに本屋さんに向かっていました。

既存の学びは誤解されているのではないか!?

科学的に脳の鍛え方というよりも、効果的な学習の方法について紹介されています。本書も若干抽象的な表現を含む場面があるために決して簡単な本とは言えませんが、本気で学習に進もうと考えていらっしゃる方はぜひ手に取っていただきたい!!そんな1冊です。ウルトララーニングと併せて読むことで相乗効果が得られると思います。

本書は冒頭でけっこうショッキングな提言がなされています。世間一般的な「学びは誤解されているのではないか」ということです。そして、さまざまな実験研究成果を交えて主張される方法の実効性を紹介されています。例えば学びの対象部分を何度も読み返すことは無意味な!!という一節を目にした時、本屋さんの勉強法を扱っている書籍コーナーに一緒においてあって問題ないのだろうか!?とおもっちゃいました。

学習者に勇気と自信を持たせる金言の数々……

本書でも具体的な学習方法の提案が紹介されていますし、その結果どのようなことが起きてどのような結果をもたらすかという流れで詳細が語られてい見ます。どのようなことが起きてという部分は、いいことばかりではなく、想定される困難についても言及されているのです。良いことばかり紹介されている書籍を読んでいて途中でつまづいてしまうと自分には才能がないのかなぁ、能力が無いのかなぁと急に不安に駆られることもあると思います。しかし、本書ではそういったことを想定して丁寧にケアが図られているのです。また、望ましい困難を受け入れるに代表される、決して簡単という意味ではないことも明示されています。

ブルームのタキソノミ―という一般的に教育学部などに進んだ方々が学ばれる概念についても言及されており、学習進捗の段階的な達成度をモデル化しています。これらの概念は50手前になるまで知りませんでした。新しい学びに触れるって楽しいですね。

まとめ。

本屋さんの回し者ではないですが、本当に本屋さんっていいですね。

超・自習法/ULTRA LEARNINGとの出会いも予備試験や司法試験などといった難関資格試験を念頭に置いていた訳でもなく、たまたま趣味のプログラミングをさらに効率的に学習する方法がないかと立ち寄った本屋さんで手に取ったのが始まりです。さらに使える脳の鍛え方についても一冊目がなければ恐らくたどり着いていないと思います。

いづれの本もすばらしい書籍なのですが、特にまとめにかえて強調させて頂きたいのは、決して簡単・楽・優しいと言っているわけではなく、相応の困難があることを予想しながらもその困難に対してどう挑んでいくのか!!というとってもありがたい書籍でございます。

予備試験や司法試験に限らず、世の試験・受験に挑戦しようかどうか悩んでいる方々、すでに挑戦中のみなさんにおすすめの冊でございました。

今回も最後まで読んで頂きましてありがとうございました。