社会人だからとか時間が無いからとかいう言い訳を自らに厳しく禁じ、より効果的な論文の勉強法と準備を模索し続ける。
予備試験や司法試験の論文試験で問われているものは何か!?
法律の知識だけであれば短答式試験で事足りるはずなのになぜ論文式試験が必要なのか!?試験本番までの限られた時間で深く理解し対応能力を養成するためにはとことん本質を追及し続けなければいけないと思います。
暗記は必要だが、暗記偏重も危険。最低限の基本知識を暗記する必要はあるがあとは制度趣旨から考え、論理を組み立てることが出来るように普段の答案構成でトレーニングをする。本番で少しでも苦しまず平穏な気持ちを保ちつつ過ごしたいので、準備期間中の苦しみは厭わない。とはいえ結果がでなければ徒労に終わる。論文試験突破のための本質に迫りたいと思います。
同じように予備試験・司法試験の論文の書き方が分からない、答案構成が難しいと感じていらっしゃる方に参考にしていただければと思います。
○○とは何か!?という質問に対して簡潔に過不足なく答えることがその質問対象に対する理解度の深さを測る目安だと思う。そして、現状予備試験の論文とはどのような試験かという問いがあると、法律の基本的な知識の理解をベースに、それらの知識を使いこなして出題の法的問題を解決する能力と、その解決に至るプロセスを論理的な説得力で表現することが求められていると考えています。ほぼこれで本質的な部分は表現できていると思いますが、この程度のことであれば当たり前すぎるとのご指摘があるとも思います。そこで、次にこの本質的な部分が抽象的でもあるのでその要素を分解していきたいと思います。
最近の過去問に関してはつぶさに目を通しているわけではないのですが、旧司法試験時代は論文民法の2問目は私にとっては恐怖でした。いわゆる未知の問題と呼ばれる見たこともない問題、論点さえ思いつかない問題が出ておりました。とはいえ、同じ問題に臨み私のように未知の問題だったといまだに感想を述べている者と、実際にそれでも及第点を取り同年最終合格を果たされた合格者が存在するのです。何が違っていたのか……
これまでは問題に目を通して答案構成のイメージが湧かなかったら次から次へと頭の中で論点をぐるぐる回して何か引っかかりが無いか、ヒントにならないかと考えを巡らしていました。暗記している知識をフル動員することで問題に対処できると盲目的に信じていたんですね。そうすると、焦りが募り結果的にうまく行かないという流れに陥ることがほとんどでした。
基礎講座などを受けているとこれは論文でよく出る頻出の大論点ですよなんて講義を受けるものですから、この大論点をズバッと文章の中に示すことが出来れば大ダメージを与えることが出来るなんて、今考えれば滑稽なのですが大論点は力み過ぎて空振りの連続で大ダメージを受けていたのは私自身だったのです。
これだと思った時ほど、一歩下がって少し抽象化して、そもそもなぜ問題文の中にあるような事象が起きているのかということに思いを巡らすとそこに本質的な出題の意図があるのではと思って準備をしています。
論証パターンも大論点の問題と同じで、どうにかこうにか既に準備している記憶済の論証パターンを文章に正確に落とし込もうとする意識が強すぎてぎこちない構成になっていくという悪循環。
20数年というほど良いブランクの期間があるので、今度は暗記は必要な部分があるのは当然ですが、暗記偏重の学習というのは勉強法という意味で不採用としなければと考えています。それこそ以前、早稲田セミナーに福田先生という方がいらして、その方が1000時間勉強合格法のような書籍を執筆されていました。今でも覚えているフレーズで民法は特に制度趣旨から考えるということを繰り返し説いていらっしゃったように印象深く覚えています。今でも当時の学習内容を覚えているということは制度趣旨から考えることが役立っているのかもしれません。暗記してその記憶した知識で対応する部分と自らの頭で思考する部分をうまく併用することが出来るように工夫したいと考えています。
予備試験や司法試験本番の論文式試験に満点合格が無いということで、完璧な正解でなくても合格できるという結論にいたります。ということは失敗が程度により許されるということです。そうすると合格する人と合格できない人を分ける基準点はどこにあるのか!?予備試験でも司法試験でも過去問に始まり過去問に終わると言われていますが、この司法試験委員会しか正確な情報を知らないはずの部分を自分なりに追及し続けることが合格に至るために必須の能力ではないかと考えるのです。
とはいえ、予備校から出ている論文過去問の模範答案を盲目的に写経するようでは本質は見抜けない。それは、試験本番の極度の緊張状態の中で作成されたものでもなく、また受験生の質を担保するものでもない。そんな後から盛ったような答案を本番の与えられた試験時間の中でどれだけの受験生が作成できるのか!?現実的ではないと思います。
過去問と参考答案を読むときにはまず問題文に対応できる準備をして臨むのはもちろんですが、特に参考答案や模範答案で盲目的に読み込み真似しようとするのではなく、自分のこれまでの学びのフィルターを通して読む意識が必要になるのではと考えています。
そして、個別の論点は異なっていても厳しい状況下でもなんとか論文の体裁を満たした自分なりのテンプレのようなものを作れるように模索し続けたいと思います。
またこの件について気づきや発見がありましたら別の機会にお届けしたいと思います。
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Thanks.